危険な足のむくみ
下肢静脈瘤
ふくらはぎのむくみ、むくみによるかゆみ、だるさでお悩みの方が増えています。 しかし同じ環境で仕事や家事をしても、むくみが出ない方もいます。むくみやすい人の身体は一体何が違うのでしょうか。
むくみは静脈の異常のサイン?!
足がむくんでいる方の足を超音波で検査をしてみると、実は静脈で血液の逆流が起きているということが少なくありません。
血液の逆流は、静脈の中にある逆流を防止するための弁が壊れることで起こります。
そして、一度壊れた弁は治らないのです。
むくみをほうっておくと血栓が出来ることも
血液が逆流すると、血流が滞った状態になります。
これにより、血液が血管内に溜まり膨らむことで、ふくらはぎに血管がぼこぼこと浮き出たり、肌にクモの巣のように細い血管が濃く浮き出たりする下肢静脈瘤という病気になることがあります。この病気は特に見た目での影響が大きく、女性の場合スカートを着ることができなくなる方もいらっしゃいます。
また、静脈に血栓ができることもあります。
血液が滞ると水分が血管の外へと染み出していきます。すると水分が抜けて血液がドロドロになり、血が固まりやすい状態になってしまいます。
脳梗塞や心筋梗塞の場合は動脈内の血栓が原因となりますが、静脈の血栓は肺の動脈をふさぎ(肺塞栓)、最悪の場合、命にもかかわってきます。
これが静脈血栓塞栓症という病気で、エコノミークラス症候群(ロングフライト血栓症)としても有名です。
長く続くむくみにはまずは検査を
血液の逆流が起きても、痛みなどの症状が出ないため、気づかずにいることがとても多く、女性の場合40%以上の方の足に逆流が起こっているともいわれています。
もし弁が壊れてしまった場合は、逆流による血液の滞りを悪化させない治療、もしくは血液の流れを正常に行うための治療などがあります。
むくみはそれ自体が悪化して病気になることはあまりありませんが、むくみの原因は血液の滞りにありますので、放っておくのは決して良いこととはいえません。
まずは検査をして、現在の身体の状態をしっかりと把握しましょう。
検査には保険が適用されます。また特別な事前準備も不要で、痛みなども無く簡単に行えますので、是非一度ご相談ください。
むくみ治療に弾性ストッキングを販売しています
弾性ストッキングとは、普通のストッキングとは違い、足を圧迫するための特殊な編み方でつくられた医療用のストッキングです。最近では市販されているむくみ防止のストッキングなどもありますので、イメージしやすいのではないかと思います。
弾性ストッキングには下肢静脈の血液のめぐりを促進する働きがあり、圧迫力が足首から心臓方向へ段階的に弱くなる構造で、血液が心臓へと戻りやすくなります。
弾性ストッキングの生地は着圧を生み出すための糸が使用され、 その糸や編み方も効果の上がるよう工夫されています。
静脈瘤やリンパ浮腫の治療の際などにも使用します。
まずは診断を行った後、適切なものをお勧めいたしますので、むくみにお悩みの方は一度ご相談ください。
使用方法などをきちんとご説明いたしますので、指示にそってご使用ください。誤った使用をすると効果が出ない場合や、合併症を引き起こす可能性があります。